近頃は、「おしゃぶりは舌や顎の発達を助けて鼻呼吸を促す」という宣伝文句やフォルダーを付けたファッション性が受けてか、乳幼児におしゃぶりを与えている親を多く見かけるようになりました。
もともと人間は、自然と鼻呼吸が出来るようになっている動物です。
しかし、言葉を話すという進化と、母乳ではなくミルクで育つ子が多く、哺乳瓶だとくちびるの力だけで楽に吸えてしまうので、あごの発達が悪くなってしまい、結果として口呼吸をしている子が多くなってきました。
そのために、「おしゃぶりで鼻呼吸の練習をすると良い」と頻繁に言われるようになったそうです。(参考までに、現時点では学問的に検証されていないそうです。)
つまり母乳で育つ子供であれば、母乳を飲むことによってあごが発達し、自然と鼻呼吸が身につきます。ですから、おしゃぶりは絶対に必要な道具ではないのです。
ただし、子供にとっての精神安定剤のような働きがあることは事実です。
子供が簡単に泣き止んだり、静かにしていて欲しい外出先で静かになったりします。また、なかなか寝付かない子供がすんなり寝てくれるなど、母親の子育てのストレスが減る事も多いと思います。子育て中は何かとストレスのたまる時期ですから、上手に活用したいものですね。
さて、「おしゃぶりをしていると、歯並びが悪くなるの?」というお母さん方の質問もよく見かけます。
おしゃぶりをしても歯に影響がないのは3歳までです。乳歯の時期であれば、指しゃぶりとあまり変わりありません。
3歳過ぎまで使用していると噛み合わせの異常が残ってしまう事もあるそうです。小児歯科の立場から検討すると、2歳までに止めるのが望ましいそうです。(5~6才まで続くと乳歯段階での歯並びの異常が、まれに永久歯に影響を及ぼすこともあります。)
さて、おしゃぶりと指しゃぶりは、どっちが歯並びに影響するのでしょうか?
これについては、おしゃぶりの方が良いとする意見と、指しゃぶりの方が良いとする意見の両方があります。つまり、明確にはわからないという事ですね。
どちらにしろ、子供が小さいうちはあまり気にしなくても良いと思いますが、おしゃぶりを使うのであれば短時間・短期間の上手な使用をお勧めします。
そもそも、母乳育児であれば必要ない道具である事を思い出してください。
赤ちゃんにとって、お母さんのぬくもりがどんなに大切か。お母さんの胸に抱かれて、匂いにつつまれ、柔らかいおっぱいを口に含んだらお腹も心も満たされるはずです。情緒が安定すれば、心の発達も促進される事でしょう。
自分が泣いたらお母さんが来てくれる、お母さんはいつも側に居てくれるのだという安心感は信頼へと変わります。お母さんとの信頼関係は、人格形成を促しやがて「人間を信頼する」事のできる人間へと育っていきます。
おしゃぶりを与えるかどうかで悩むより、しっかりと抱きしめてスキンシップを増やしてみてください。子供が不安になって泣く回数が減ってくるはずです。そうすればお母さん自身のストレスも減ってくる事でしょう。
